実は、シャツって苦手だったんです。
元々顔が真面目っぽいから。
なんだかカチッとしてるから。
そんな雰囲気で。

私が以前働いていた服屋や古着屋で、一番に売れていたものはシャツでした。
でも、自分はシャツをあまり着たことがない。
というより、似合わないと思っていました。

故に、当初のISTISTの服は、プルオーバー
被り物のタイプが多かったです。
Tシャツから始まり、トレーナー、ワンピースも
シンプルにがばっと被れるもの。

時にオーダーで、これを前開きにして欲しい。
と言われて作ることは多々ありましたが。

「シャツってつくらないの?」
とよく言われていて、
でもこれっていうシャツを自分でもあまりない。
カチッとしているのは苦手だし、、、。

でも、シャツって定番なんですよね。

じゃあ、シャツが苦手な自分達でも好きなシャツを作ったらどうだろう。

となったわけです。

最初はシャツといえば、で生地をカチッとした
(ラルフローレンの定番シャツのイメージが強くて)ものからサンプルをつくりました。
それはそれで良かったのですが、これはわざわざうちで作らなくてもいいかな、と思いました。

色々と試した結果、年中着れて、ナチュラルな風合いもあり、カチッとならない。
ダブルガーゼの生地を使いました。
4日間ぐつぐつ高温で染めるので、草木染めしたダブルガーゼはとてもふわふわなのです。

パターンは、いつもお世話になっているパタンナーさんに細かく相談に乗っていただき引いてもらいました。袖の長さ、カフスの幅、男女兼用で、老若男女問わず着れるようじっくりと。

そして、せっかくだから綿糸縫製で、でも頑丈に何年も着れるように作ってもらいたい。

と、染色用の服作りにも実績のある石川県の縫製工場に縫製をお願いしました。
(このガーゼシャツを毎回お願いしているのですが、本当に仕立てが綺麗で感謝しています!)

時間はかかりましたが、最初にサンプルが仕上がってきた時にはとても嬉しかったです。
その後細かいところを調整して、ようやく
「これなら着たい!」に辿り着きました。

シンプルなシルエット。

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袖や脇の縫い目には、それぞれステッチをいれ、ほどよい“しっかり感”を取り入れています。
このステッチが、羽織としても活躍しやすい雰囲気を出してくれます。

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そして、背中のタックは内側に縫い込んでいます。
後ろ姿・サイドからの見え方が、脇のシルエットとも相まってさらにすっきりと見えます。

背中のタックは、一般的なシャツだと外側に畳んであるものが多いです。
でも、内側に入れたほうが、すっきり見える。
これはパタンナーさんのアイデアで、
お客様からも好評です。

襟はどちらにしようか迷ったのですが、台襟のみ、バンドカラーで仕上げました。

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羽織としても使いやすいよう、一般的なシャツよりも、アームホールをゆったりめにつくり、パターンによりインナーがだぼつかない、苦しくない袖にしています。

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早速夫婦でお気に入りアイテムになりました。

結局、お客様にも気に入っていただけて、多分トップスでは一番の人気アイテムとなり、ほぼ毎日、シャツは染め続けています。

シャツが苦手な私たちが作った、大好物のシャツです。

ガーゼシャツが完成してから、2年ほど経ちました。
夏は汗を吸うし風通しもいいから日焼けしたくないしこれを着てる。とベビーに着倒してくれたり、袖を曲げて羽織にしてくれたり、冬場は、「これを一枚入れ込むとあったかい」とインナーにもしてくれたり。とても嬉しいです。

ISTISTの服は、仕立てた後、草木染めによる染色工程で4日〜一週間かかるので、大量生産はできません。一度に染めれる量も手染めなので限られています。
でも、できるだけ、このシャツはお店でいつも色を揃えて並べれるよう、つとめています。

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