以前、遠方より店頭にお越しいただいたお客様から
「この茜染めのワンピース、もっと赤に出来ない?」
という相談を受けました。

「さらに日数をかけて染めれば、赤みは増すけど、その分植物染料はくすみも増します。でも、やってみます。」
単純に色を濃くするのは簡単なのですが綺麗な赤味を保つにはギリギリの見極めが必要で。。
そこで、少しずつ染料の量を調節し、普段行う染色作業を三回繰り返しました。
日数にして、約12日間。

そして、「このくらいが限界かな」
くすみが出すぎて茶色によらないところまで。

ISTISTでは、濃染剤(色を濃くする)や均染剤などは使っておりません。
草木染をやりだした若いころは、使ってみたりもしたのですが、色の深みがなくなるというか、重みがないというか、言葉では表しにくい、ISTISTらしさがなくなってしまう感じがして、使わないと判断しました。

なので、ISTISTの服には、若干でも染めムラはあります。
そして、色を濃くするときはひたすら、染め重ねて濃くします。

そうして染めあがった濃い茜染めをお気に入りいただき、今回はレギンスやレッグウォーマーなどもご注文いただきました。

これだけ濃い茜染めが揃うと、達成感がものすごくあります。
ようやくお届けしました。

そして、このワンピースは、今季人気のhinataboccoです。
これがとても着やすい。と、今年は特に。生地を3反分いれていたので、ずいぶん縫って、染めました。

仕上がりの色を、じっくりじっくり、感じて頂ければ幸いです。